溶液NMR装置による解析例(2)

不凍タンパク質の立体構造解析(産業技術総合研究所)

低温環境に適応した生物は、体内で不凍タンパク質(AFP)を生産して、体液の凍結を防止しています。AFPは氷の表面に結合することにより、氷結晶の成長を妨げることができます。 本学800MHz NMR装置を用いて、北海道東部沿岸に棲むゲンゲ科の魚、ナガガジ由来のAFPおよびそのアミノ酸変異体の立体構造を決定しました。 その結果、タンパク質表面に結合した水分子とタンパク質を構成する特定のアミノ酸との間の水素結合が、AFPの活性の強さに影響していることがわかりました。

参考文献 Kumeta et al., J. Biomol. NMR 55, 225 (2013).

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