研究内容

1. 粘膜免疫システムの新たな理解を目指す

 生物学と医学の融合により、分子レベル、細胞レベルから個体レベルまで、自然免疫における微生物の排除メカニズム及び腸内細菌との共生メカニズムを解析しています。腸の粘膜免疫システムを宿主と寄生体の相互作用から理解することを目指しています。

2. 抗菌ペプチドによる自然免疫機構の解明から疾患の克服

 抗菌ペプチドの自然免疫機能から、クローン病や潰瘍性大腸炎など難治炎症性腸疾患、肥満など生活習慣病などの病因・病態を解析しています。世界に先駆けてαディフェンシンという抗菌ペプチドが感染から身体を守っていることを明らかにしてきました。私たちは自然免疫を担当するパネト細胞(Paneth cell)と抗菌ペプチドから自然免疫機構を研究しています。αディフェンシンの作用メカニズムを構造活性相関から解明して難治性疾患の克服、さらに疾患予防に貢献します。

3. 食品、医薬品及び微生物と腸の自然免疫による腸内環境の解明

 未だに解明されていない消化、吸収、代謝、内分泌、免疫など多彩な腸管機能について腸上皮細胞の分子機構と機能を解析して、病気の原因に迫ります。消化管は、食品から必要な栄養素を取り込む消化・吸収と、微生物の侵入を防ぐ免疫が同時にはたらいています。私たちは独創的な細胞分離・培養技術を駆使して生体に即した腸の機能解析から新規機能性食品や医薬品の開発につなげています。

4. 腸上皮細胞の再生・分化メカニズム解明から再生医療まで

 腸上皮細胞の再生・分化メカニズムや組織幹細胞の解明及び星細胞を活用した線維症治療、さらに難治性疾患に対する新たな再生医療や予防医療の研究開発を行っています。