受験のためのQ&A
研究室では何を研究しているのでしょうか?
研究室代表の龔 剣萍(グン チェンピン) 教授からのメッセージをご紹介します。
当研究室では、柔らかく水を含んだソフト&ウェットな物質である「ゲル」を研究しています。
生体軟組織は生体高分子(DNA,たんぱく質、糖鎖など)と30~80%の水から構成され、ソフト&ウェットな物質系に属します。生体軟組織の優れた機能の創発原理はまだ分かっていませんが、そのソフト&ウェットな物質状態に根本原因があると考えられます。
一方で、ゼリーに代表される高分子ゲルは、生体軟組織と同じくソフト&ウェットな物質系に属することから、潜在的に高い機能性を有していると考えられます。我々はこの点に着目し、「生体軟組織の複合・秩序・階層構造をヒントに機能性高分子ゲルを創製」⇔「そうしたゲルに対する研究をもとに生体軟組織の機能創発の原理を解明」という循環の中で、軟骨、腱、筋肉などの生体軟組織に匹敵する高強度・ 高機能ゲルを開発し、医療分野を始め、さまざまな分野への応用を目指しています。
ソフト&ウェットマターの科学は、化学・物理学・生物学、材料科学などの分野を跨ぐ新しい学問分野です。生体組織に匹敵するゲル作りに、生体組織の優れた原理の究明に、または、人工臓器や再生医療への応用に興味を持つ学生ならどなたでもウェルカムです。
研究室にはどんな先生がいますか?
教授 龔 剣萍(ぐん ちぇんぴん)
准教授 中島 祐 (なかじま たすく)
准教授 野々山 貴行(ののやま たかゆき)
准教授 印出井 努(いんでい つとむ)
質問や見学はできますか?
当研究室に興味を持っていただけましたら、まずはお気軽に准教授の野々山先生に連絡してください。
研究室分属で検討中の学部3年生の方の疑問・相談等もお待ちしております。
見学を希望される場合は、野々山先生と日程調整をしてくだい。学外・学内・社会人を問わず、見学を歓迎しています。
龔剣萍(教授)
Email: gong[AT]sci.hokudai.ac.jp
※なお、研究室は平成28年5月、北キャンパス総合研究棟(〒001-0021 札幌市北区北21条西11丁目)に引っ越しました。
どのような受験形式ですか?
修士(一次募集)は、27年度の試験から、専門科目と英語の筆記試験がなくなりました。英語学力はTOEFL, TOEICのスコアによって判定します。また、志望動機などの一般的質問をする口頭試問と、研究内容に関連した基礎的知識・学力についての口頭試問が行われます。博士は英語の試験とこれまでの研究内容についての口頭試問があります。
詳しくは北海道大学大学院生命科学院の入試情報を参照してください。
なお、英語学力はTOEFL, TOEICのスコアによって判定しますので、期日までにスコアを提出できない場合は、英語は「得点なし」として扱われるので、充分注意すること。
学外から受験をしたメンバーの声
その前に、中島先生からひとこと
私の扱う分野は、材料化学、高分子・繊維材料、高分子ゲルです。現象を数式で表せたら面白いと感じるから、自分は材料科学者の中でも物理寄りのタイプかと思います。 神奈川県出身です。北の大地に憧れて北海道大学への進学を決意しました。「北大では何を学べるのだろう?」と考えていた時に予備校の雑誌に目がとまりました。誌面には「北大はハイドロゲルのメッカ」とありました。ハイドロゲルとはゼリーのように水を含んだ柔らかい素材を指します。もともと柔らかい物質に興味があったので迷わず生物科学科高分子機能学を目指すことにしました。 研究は常にうまくいくとは限りません。思いどおりに進まない時は、潔く諦めて別の方法を考えてみようと気持ちを切り替えて、研究の前進・深化に臨んでいます。未来の研究者の皆さんには、勉強だけではなく、感性や好奇心も大切にしてほしいと思っています。(北海道大学理学部広報誌「彩」より抜粋)
以下の質問に答えていただきました。
Q1. なぜこの研究室を受験しようと思いましたか?
Q2. 受験する上で大変だった事、苦労した事はありますか?
Q3. LSWの魅力を教えてください!
修士課程2年 Sさん
(東北地方の国立H大学出身)
A1. 様々な国籍の人がいて、ゲルのみならず様々な分野の人が関わっているため、このゼミにいれば知識や視野が広がると思ったからです。
A2. TOEICで英語の筆記は免除したのですが、面接で英語の質問をされたときに全く答えられず恥ずかしい思いをしました。TOEICよりも話せる・聞ける力をつけたほうがよかったと思っています。また英語の筆記テストは午前、専門科目は午後に行われるため、試験場の雰囲気になれるためにも英語の筆記は受けたほうがいいと思いました。
A3. 留学生が多いため英語を使う機会がかなり多いです。このゼミにいれば英語を使うことに対する躊躇いや恥じらいが一切なくなります。このような滅多にない環境もこのゼミの魅力だと思います。
修士課程2年 Mさん
(慶應義塾大学出身)
A1. 高分子(特に高分子ゲル)に興味があり、初めは東大・東工大を中心に調べていましたが、その中である教授から当研究室を薦められました。 (本来、北海道に来る気など無かったのですが、)研究内容や方針、先生の考え方・人間性に強く感銘を受け、気付いたら受験していました。
A2. 公式情報だけではどのような教材・範囲を勉強すればよいかが少々分かり難かったです。でも研究室に連絡を取ると、学生がいろいろと教えてくれました。
A3. 「多様性」に尽きると思います。
研究も化学・物理・生物と人によって様々なら、人も国籍から年齢(スタッフ含む)までまちまちで、たくさんの刺激をもらえます。 研究で結果を残しながらも、北海道観光、スポーツ、飲み会など、研究以外での幅の広さも魅力です!
博士課程1年 Hさん
(近畿地方の国立K大学出身)
A1. 以前からゲルの研究において第一線で活動しているのは知っていたので、一念発起して受験しようと思いました。
A2. 前の大学で修士課程を修了してから数年間企業で働いていたので、口頭試問のために前の大学での研究を思い出すのに少々苦労しました。加えて、外部受験ということで口頭試問だけでなく英語の課題も課せられたのは予定外でした。しかし、課題提出〆切までの約2週間で入学後の研究内容についての理解を深めることができました。
A3. 研究においても生活においても自由度が高いところです。それでいて月例※注1)時には誰もがしっかりとしたプレゼンをしています。 あと留学生が多いので英語力が鍛えられます。自分も目下努力中です!
※注1)各自の研究を研究室全体に発表する3ヶ月に1回程度の報告会
博士課程2年 Zさん
(東京大学出身・修士課程から在籍)
A1. 学部生の頃は今とは全く異なる分野を専攻していましたが、ゲル材料に関する発表を聞く機会があり、そのユニークで多様な機能に興味を惹かれました。そこで、ゲル分野の最先端の研究を紹介している雑誌を読んだところ、北大に世界最先端の研究室があると知り、飛び込んでみようと思いました。研究室訪問の際に先生や学生の方が快く迎え入れて下さったのも決め手の一つです。
A2. 高分子やゲルに関する知識があまり無かったので、事前にこの研究室の有名な論文をいくつか自分なりに読んでみてから受験に臨みました。これからやりたいことや、これまで身に着けてきた知識や考え方がゲル研究にどのように活かせるかを、簡単にでも考えておくと良いかと思います。
A3. 設備も豊富でレベルの高い研究を行っている点、多様なバックグラウンドの学生がいて研究テーマが豊富である点、グローバルで英語を実践してみる機会が数多くある点、時間をある程度自由に使える点、人が多く色んな性格の人がいて面白い点、定期的にジンパ(BBQ)が開催される点、などたくさんの魅力があります!
研究室の所属組織
教職員・大学院生・学部生は、それぞれ所属組織が異なり、次の通りとなります。
教職員
北海道大学 大学院先端生命科学研究院 先端融合科学研究部門
ソフト&ウェットマターの科学研究分野
大学院生
北海道大学 大学院生命科学院
ソフトマター専攻 ソフト&ウェットマター研究室
※平成30年4月以降入学のLSWの大学院生の所属先です。
学部生
北海道大学 理学部 生物科学科 高分子機能学教室
ソフト&ウェットマター研究室
大学院修了後の進路
修士課程
北海道銀行、三菱ガス化学株式会社、DIC株式会社、電気化学工業株式会社、YKK株式会社、アダマンド工業株式会社、三菱東京UFJ銀行、日本ゼオン株式会社、帝人株式会社、JSR株式会社、アズテック株式会社、株式会社アシックス、コニカミノルタ、埼玉県高校教諭、住友ゴム、テルモ株式会社、ニチバン、ニプロ株式会社、日立ディスプレイズ株式会社、日立電線株式会社、北海道高校教諭、三井化学株式会社、旭硝子株式会社、株式会社オプトエレクトロニクス、株式会社クラレ、株式会社クレハ、株式会社三洋化成工業、株式会社プライムポリマー、株式会社ブリヂストン知的財産本部 化工品特許ユニット、株式会社半導体エネルギー研究所、三菱化学株式会社、出光興産株式会社、大日本製薬株式会社、東レ株式会社、北海道NSソリューションズ、味の素株式会社、…
博士課程
NTT物性科学基礎研究所、帝人株式会社、京都大学、CNRS(フランス)、Toronto大学(カナダ)、群馬大学、西安交通大学(中国)、東京農工大学、北海道大学医学研究科、北海道大学先端生命科学研究院、理化学研究所、日本原子力研究開発機構、北陸先端科学技術大学院大学、岐阜県産業技術センター、KBセーレン株式会社、…