七月十七日  (土) 晴  (二日目)

 

 今朝は五時頃迄良く眠った、七時起床、持参した電気釜でごはんを炊き朝食、お昼のおにぎりを作ったりして、九時三十分出発、今日も最高のドライブ日和となる。

北欧独特のような森林の間を縫って一時間半程走った所に、スウェーデンとノルウェーノの国境があった。そこには細長い三メートル位の高さの碑が立っていて、その碑には一九一九年と両国で握手をしている腕だけの絵が刻まれている簡単なものだった。

国交を樹立した記念かな……記念写真をパチリひと休みする。

 

マルングの町を出発してからは農村地帯で、広々とした牧草畠と手入れのゆき届どいた芝生の広くてきれいな庭、出窓には装飾的なカーテンと花が飾られている家がぽつぽつと建っている。

途中、林の中に毛皮の専門店が一軒あったのでちょと立ち寄ってみたが、その毛皮の種類と数の多いことには驚いた。

この辺からは道の両側に赤松林や白樺、その他、えぞ松らしい大きな木々の茂った山道を昼近くまで走る。そこには大きな湖あった。昼食をしながらひと休みする。それからの眺めは、小高い山の斜面にビロードように風になびく一面の麦畠、又所々広い菜の花畠が続き、緑と黄色のコントラストの美しさ…その間に点々と北欧らしい民家があり、それはそれは素晴らしい広大な田園風景の中をを三時間位走る。

そのあとは右手の方に岩石の山々が続く、でもはだか山ではなく、所々えぞ松のような木がはえており、中腹から麓の方は牧草畠や牛の放牧場が見られる。左側は道路のすぐ側を大きな川が滔々と流れ、対岸も牧草畠や麦畠が広がり日本では見られない風景である。

午後六時近くやっとコテージが見つかり落着くことができた。そこは二階建の家で上と下で二世帯が使いるようになっている。全然予約なしの旅だから泊まる場所は適当な所でインホメーションを尋ねて宿を捜すため、語学が達者でなければ中々出来ないことである。

とっても静かな場所で家の裏側は、小高い山岳地帯で牧草畠が広がりここでも放牧がなされている。(ドムダスの手前とか)途中の町で買い込んできた食材で夕食の用意をしたり、シャワーを浴びたりしておいしい食事となる。
 

 

 政孝さんも、美子も手馴れたもので準備もはやい。

丁度七時頃裏の斜面の中腹を赤い六輌続きの電車が通ってまたまたびっくり、オスロからオンダルスネスまでの電車とのこと全く絵になる風景だった。お父さんが一緒だったら直ぐスケッチを始めたろうに残念…。

現在九時半太陽はまだまだ沈まない。こじんまりとした部屋だが、ベットも寝具もさっぱりときれいで家主のおばあさんが管理している。  (泊まった回りの風景、遠くに汽車が走っていた)

宿泊記録を見たら、一九七四年からの記録で、六月から八月までの三か月間開いているようだ。十時近く二段ベットの上に私、下の段に南菜子が寝る。

今日は五百キロメートル走ったとのこと。便乗者の私や孫たちは、周りの風景を眺めたり、歌を歌ったりしてゆっくり楽しんでいられるが、政孝さんと美子は、初めての異国の地を地図を調べながら走るのだからなかなか大変なことだ。

泊まった民宿の近くの教会
 
 
 
 

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