七月十四日 ストックホルムの初めての朝
現在丁度朝六時、私の腕時計は午前一時(時間差は七時間)この部屋から見える四階の屋根の上は、鉛色のどんよりした曇り空のように見えるが、太陽の光は燦々と輝き天空はきれいな青空の朝である。
部屋の中の気温は、パジャマ姿でいい塩梅、外はそよ風が吹いていて、ちょっと涼しい感じかな。朝方三時頃便所に起きた時、ビル前の道路の街灯がついていて、一メートル位の高さである。窓の目の前の庭には、ななかまどの赤い実がびっしりなっている。今六時三十分美子と拓海が起きて来た。拓海の熱も下がったようで本当によかった。
八時みんな揃って朝食、美子が焼いたチーズケーキとクネッケ(乾パンのようなもので、これが主食とのこと)とコーヒーだった。
美子は、このあとマンション内にあるランドリーへ洗濯に、洗濯場はこのマンションの一階両はじに一室ずつあり、大きな洗濯機が五台、乾燥機が四台並んでいて使いたい日時に予約しておき、洗濯に四十五分、乾燥機にいれて約四十分、それぞれの時間、部屋に戻って仕事もでき乾燥機から出してくれば、すっかり乾いた洗濯物が出来上がり、全く便利な生活で驚いた。
九時三十分頃、政孝さん研究所へ出かけた。南菜子は勉強を始める、私は、その側で日記を書く、拓海はリビングでテレビを見ている。美子は買物に行ったり、明日から出掛ける旅行の準備をしながらパン焼きをしている。現在、十時四十五分(日本では午後五時四十五分)
十一時頃になって、南菜子と南菜子の友達と私の三人で近くにある、ハガパーク公園へ散歩にでかける。この公園は、昔スウェーデンの王様の庭園だったとか、樹齢何百年という大樹が茂り、芝生がきれいに整備され緑の絨毯を敷き詰めたように、又その中に何種類もの草花が咲き乱れている。
そして南北に四キロメートルくらいある湖の周囲が散歩コースになっているようだ。今日も三々五々多くの人々が散歩をしたり、ジョギングを楽しんでいた。この湖は冬になると全面凍結してスケートリンクになり、美子たち家族も二冬楽しみ、結構上手に滑れるようになったとのこと。
帰宅して美子の焼きたてのおいしいパンで昼食。午後は拓海と、本を読んだりテレビをみて遊ぶ。夕方何時までも明るいので、ゆっくりしていたら、もう七時半、政孝さんの帰りが遅くなると言うので、八時ごろ先に夕食とする。拓海は、まだ少し熱ぽいので、明日出掛ける予定だった旅行は一日延ばしとなる。
泡ブクブクの風呂に南菜子と入り、外はまだまだ明るいが、九時頃には、南菜子と二人歌を歌いながら、ぐっすり寝込んでしまった。