担当授業
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<学部向け> 理学部高分子機能学科 (必修科目) 生命情報科学演習 (2023年6月〜8月木曜日1~2コマで開講予定)
キーワード
科学技術プログラミング、確率論、統計学、データ科学、バイオインフォマティクス、python, R
授業の目標
1. 学科の授業の目標
生命科学は多様な生命現象の解明や高分子機能学の応用展開につながる重要な自然科学分野として注目されている。生命科学分野は、生物学、化学、物理学、数学など基礎科学の理解と分野を越えた融合科学によって深化と拡張が進む。生物科学科(高分子機能学専修分野)では、このような生命科学分野で広い視野を持って研究を遂行することができる人材を育成するためにカリキュラムマップを用意しており、基礎科学と融合科学に重点をおいた授業を講義・演習・実験形態で体系的に学習する。
2. 授業の具体的な目標
計測や通信情報技術が発達したことで、様々な分野において知りたい情報やデータを容易に手に入れることができるようになった。たとえば生物学の分野では、動物の動きや気候といった生物を取り巻くマクロな情報のみならず、ミクロでは、遺伝子発現の状態を網羅的に計測できるようになっている。同時に、数理情報解析を用いてデータを活用しようというニーズが、研究のみならず社会・企業活動でも増えている。データ解析に関する教科書やオンラインの講義も手軽に利用できるようになっているため、動機さえあれば、データ解析手法の習得をすぐにでも始めることができる。一方、自習で習得し難いデータ解析の重要な側面は、演習形式の講義で質問を踏まえて学ぶと、より効率的な習得につながる。この講義では、プログラミング実習を通じて、様々な生命現象に関するデータ解析の基礎となる確率論や統計学、科学技術計算のためのコンピュータープログラミング技法について紹介する。データを適切な分析手法で解析し、得られた結論を解釈して適切に理解するための実践的・体系的な方法の習得、社会が求めるデータ関連人材としての基礎的スキル修得を目標とする。
到達目標
プログラミングや数理解析手法を用いてデータを分析・評価する技術を習得することで、データ解析結果を元に生命現象を解釈したり、推論や予測ができるようになることを目標とする。具体的には
- 生命科学分野の数理解析手法を理解し、適切な分析方法の判断ができるようになる
- プログラミングの基本的操作を実施することで、実際に生命科学データを分析する技術が身につくようになる
授業計画 (詳細はシラバス参照)
第1回: 情報処理とデータ構造
第2回: スクリプト言語 python 統計処理ソフト R の入門
第3回: R によるプログラミング(python/R のセットアップ)
第4回: python/R によるプログラミング実習(基本処理)
第5回: python/R によるプログラミング実習(関数)
第6回: python/R によるプログラミング実習(データ処理)
第7回: python/R によるプログラミング実習(制御構造)
第8回: python/R によるプログラミング実習(条件分岐)
第9回: python/R によるプログラミング実習(繰り返し文)
第10回: 記述統計学 I (平均、分散など)
第11回: 記述統計学 II (ヒストグラムなど可視化方法)
第12回: 確率論の基礎 I(離散型確率分布)
第13回: 確率論の基礎 II(連続型確率分布)
第14回: 推計統計学 I(点推定と区間推定)
第15回: 推計統計学 II(仮説検定)
<大学院向け> 先端生命科学研究院修士課程 (選択科目) インフォマティクス (2024年1月集中講義形式で開講予定)
キーワード
インフォマティクス、プログラミング、確率統計、機械学習、バイオインフォマティクス、ゲノムデータ
授業の目標
近年、身の回りの生活では情報が溢れており、知りたい情報やデータを容易に手に入れることができるようになっている。生命科学の分野でも、ある生物の遺伝子配列情報 (ゲノミクス) や発現情報 (トランスクリプトーム) に関するビッグデータが得られるようになり、数理解析を前提とするデータを活用しようというニーズが、研究のみならず社会・企業活動でも増えてきている。一方、IT 技術の普及によってウェブ上でもデータ解析に関するチュートリアルや講義が公開されているため、データ解析に必要な数理手法やプログラミング技法を自習で進められるようになってきている。動機さえあればデータ解析手法の習得をすぐにでも始められる反面、はたして数学的に正しい方法で解析できているのか、実践的な課題を分析している上で適切な判断をできているか等、オンライン学習では習得し難い課題も存在する。本授業では、生命科学分野におけるビックデータやインフォマティクスの活用事例を学ぶ。データを適切な分析手法で解析し、得られた結論を解釈して適切に理解するための実践的・体系的な方法の習得、社会が求めるデータ関連人材としてのスキルを見つつけることを目標とする。
到達目標
プログラミングや数理解析手法を用いてデータを分析・評価する技術を習得することで、データ解析結果を元に生命現象を解釈したり、推論や予測ができるようになることを目標とする。具体的には
- 生命科学分野の数理解析手法を理解し、適切な分析方法の判断ができるようになる
- プログラミングの基本的操作を実施することで、実際に生命科学データを分析する技術が身につくようになる
授業計画 (詳細はシラバス参照)
第1回: 塩基配列データと研究・社会への普及、遺伝子発現解析の紹介と塩基配列データの前処理
第2回: カウントデータの統計解析
第3回: 回帰と統計検定
第4回: プログラミング実習 (基礎)
第5回: プログラミング実習 (発展)
第6回: 遺伝子発現解析 (基礎)
第7回: 遺伝子発現解析 (実習)
第8回: 特別講義