そんな風景が延々と続いたあと、山の雪渓から流れ落ちる滝が見えてきた。
高原の景色を眺めながら、だんだん険しい岩壁の聳える山坂道になる。これがトロルの道で、悪魔の道と言われているとか。道路の両側に聳える、二五〇メートルから三〇〇メートル位の岩山の間を縫うように五十分近く走る。
その山の絶壁から雪解け水が大小さまざまな滝となって、勢い良く流れ落ちるさまは本当に壮大である。そして又トロルの道の頂上から見る滝の素晴らしさと、今走ってきた曲がりくねりの道路など、どこまでも見通しの効く雄大な眺めである。よくぞあんな険しい道を事故も無く走って来たものだと感心した。
それにまた、北欧の人々にとってはバカンスの最盛期とあって、その険しい道路の交通量の多いこと、しかも大きなキャンピングカーでの往来である。
トロルの道 右側に見える緩やかな地形は氷河のあと