卒業生仕事レポート 5

 

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いつか海外で働きたい、夢を再確認

道外出身でしかも農学部からの転身組。食への興味が徐々に有機化学へ移り、指導教員が北海道大学勤務になるのをきっかけに、自身も大学院から入学した。

学部3 年の学生実験から化学の面白さがわかってきて、4 年の研究室で「糖鎖」をやるようになってから今もずっと同じ分野の研究を続けています。研究室の先生についていくような形になりましたが、もっと実験を続けたくて北海道大学の大学院に入学。修士課程はその先生の研究室に入り、博士課程から新しい展開を求めて西村紳一郎先生の研究室へ。修士2 年のときに海外の学会に行ったことで昔から漠然と抱いていた「海外で働きたい」という夢をより強く意識するようになり、そのためにも博士号を、と進学を決意しました。

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研究室で女性は少数派。「でも気さくな同期ばかりで楽しく過ごせました」

 

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多様な生命現象に関わる糖鎖研究

「手足を動かす実験が性に合っている」という吉村さん。大学院ではマイクロ波を活用した糖鎖・糖ペプチドの合成研究に没頭した。

私たち生命の細胞の表面は糖鎖で覆われています。糖鎖同士の結合がさまざまな生命現象に関わっています。その中でも私の研究課題は、糖鎖をのせたタンパク質の一部を作ること。自分で作った化合物を使って酵素の反応を見る実験を繰り返していました。2008 年には、私が対象にしていた酵素の研究が盛んなデンマークから、別の分野ですが著名な先生が北大で講演をするために来日されまして。その方と顔見知りになれたことが、のちのち生きてくる貴重な糸口となりました。

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多面的な研究を可能にする西村研究室。先端機器を使えるなど環境も充実。

 

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北大からカールスバーグ研究所へ

折よく海外学振の研究生募集に採用が決まり、助成金で渡航費や滞在費が確保できた。行き先はデンマーク。2 年前の縁がつながった場所だ。

2010 年1 月から3 カ月間、研究生としての滞在先はカールスバーグ研究所。私の研究対象である酵素の第一人者がいらっしゃるところです。講演会で会った先生が紹介してくださったおかげで、ご本人と直接連絡をとることができました。滞在期間が短いので行く前にできる限りの準備をして日本を発ちました。皆さんとても協力的で、ある程度の結果を出せたことはささやかな自信になりました。

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「物価は日本の2~3倍なので、もちろん自炊。研究所にあるゲストルームのキッチンをよく使っていました」

 

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ぴんと来るものを追いかける勇気

帰国して半年後、朗報が訪れた。カールスバーグ研究所から研究員のポストがあるという。勤勉な研究姿勢が認められての招きに吉村さんも笑顔で応えた。

一度海外に行くと、どうしても「また行きたい」と考えるようになります。ですからこの話を聞いたときはまさに「喜んで!」という心境でした。2011 年の1月から今度は多分数年かけて、酵素を主体にした実験を続ける予定です。ここまでいろいろ寄り道してきた私が言うのもおこがましいですが、自分でぴんと来るものがあったらためらわずに進んでいいと思います。これまでたくさんの方に助けられてここまでやってこれたので、いつの日かその恩返しができるように研究に精進したいと思います。

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