卒業生仕事レポート 4

 

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生命の根源に触れる研究ができたら

大学院時代に優れた研究成果を残し、製薬会社の研究職になった松岡さんは、高校のときから生物が好き。生命の起源を知りたい、と理学部に進学した。

学部4 年を前に各講座の説明会が開かれます。高分子機能学はカバーする領域が非常に広いため、自分の中でも「どうしよう」と決めかねていました。そんなときに、X 線構造生物学研究室の田中良和先生が「専門性が高くなるからといって不安がらずに来てください」とやさしく話されていた様子にとても安心感を覚えまして。生命のより根源的なものに触れる高分子タンパク質を勉強できたら、という思いもあり、X 線構造生物学研究室に進むことにしました。

 

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修士1 年でタンパク質の結晶化に成功

研究テーマは「腐性ブドウ球菌由来細胞接着因子の構造・機能解析」。尿路感染症を引き起こす腐性ブドウ球菌が持つ接着因子(タンパク質)の構造と機能を明らかにする。

まず遺伝子操作をした大腸菌を培養し、目的の接着因子を取り出します。それから接着因子であるタンパク質を結晶化し、X 線を照射してタンパク質の分子の構造を解析する。と、ここまでが一連の流れですが、この分野では「タンパク質の結晶化」が最大の難関。何千何万という条件を検討しなければ実現できないことだと言われています。それが私の場合、幸運にも千パターンくらいの検討で結晶化に成功。修士1 年で目標だった構造解析にまで進めたことには自分でも驚いてしまいました。

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職場の方々に囲まれて。勤務地は大阪。初めての道外暮らしは新鮮だが、「夏の暑さにはちょっとまいりました(笑)」。札幌の実家とはスカイプで会話する。

 

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研究室一丸となった指導で優秀賞に輝く

松岡さんの思わぬ成果に研究室全体が沸いた。修士論文発表会に向けた教員たちの指導にも熱が入る。その結果、松岡さんは見事優秀賞を受賞。そして卒業式には…

研究発表の予行演習には田中勲先生やヤオ・ミン先生たちがつきっきりでご指導くださいました。パワーポイントの資料も「そのスライドはわかりづらいね」とその場で指摘していただき、手直していく推敲作業の繰り返し。先生たちの熱心なご指導のおかげで大変栄誉ある賞を手にすることができました。また、卒業式には総代を務めさせていただき、母親と祖父母に晴れ姿を見せられたことがいい親孝行になりました。

 

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大学院の研究成果をさらに深めて

「タンパク質の結晶化に成功」という製薬会社の覚えもめでたい結果を手に、研究室からの推薦枠で今の会社に応募した。面接でも、もちろんこんな質問が。

「なぜ成功したと思いますか?」と聞かれて、「それなりに努力はしましたが最後は運だと思います」と正直な気持ちをお話したら、幸い、面接官の方々にもそのまま受け止めていただけたようです(笑)。実際のところ、今の会社でタンパク質の構造解析をさらに進め、感染症治療につなげることができたら、自分の研究成果で世の中に貢献できるという大きな喜びが待っています。研究者としての使命とやりがいを感じています。

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