SELEX法

SELEX法の原理

 SELEX (Systematic Evolution of Ligands by EXponential enrichment) 法は,1990年代に確立された実験法で,in vitro selection法とも言われ,色素,アミノ酸,タンパク質に結合する核酸リガンド (アプタマー)の実体を明らかにする方法である.リガンドとなる核酸を微量精製(選別)したうえで,PCRを用いて 指数関数的に増幅し,この過程をシステマティックに複数回繰り返すことによって,至適結合配列をもつ核酸分子を同定する. この原理を模式的に表したのが上の図である.

 当研究室では,転写因子の機能を同定するためにこのSELEX法を用いている. また,SELEX法を改良したGenomic SELEX法を用いた解析も行っている.Genomic SELEX法は,解析に用いるさまざまな配列 パターンをもったRandom DNA poolを標的タンパク質のGenome DNAを用いて調製する方法である(下の図参照). このGenomic SELEX法の利点としては,ノイズが少ないということ,ゲノム上の作用部位(オペレーター部位) を同時に決められるという点が挙げられる.当研究室では,このGenomic SELEX法を用いて,いくつかの転写因子について そのオペレーター部位を明らかにした.

Genomic SELEX法のRandom DNA pool調製法

References