Hansenula saturnus由来 1-アミノシクロプロパン-1-カルボン酸(ACC)デアミネース

Hansenula saturnus由来ACCデアミネースは342アミノ酸残基, 分子量約37kDaのタンパク質で,一分子あたり一つのPLPがLys51残基 と結合している.X線結晶構造解析では,水銀化合物との共結晶を作 製し多波長異常分散法による位相決定を行った. 異なった晶系の共結晶間でのアベレージングの電子密度改良を行 うことで,良質な電子密度マップを得た.最終的に2.0Å分解能での 構造を決定した.ACCデアミネースは結晶中で二量体で存在している. 単量体は、大小二つのサブユニットに分かれ、それぞれがトリプト ファンシンテターゼのβサブユニットに似たオープンツイストα- βバレルを形成している。しかし、他のPLP酵素のβファミリーに 属する酵素とは異なり、ACCデアミネースのPLPは分子内深くに存在 していた。この構造はシクロプロパン開環反応の活性中心を初めて 明らかにしたものである。活性部位周辺の構造から、次のような反 応機構が推定された。
 1.PLPと結合しているLys51がACCと結合 
 2.Lys51によるPro-S炭素への求核攻撃によってACCが開環 
 3.基質近くに存在するSer78がPro-Rエチレン基からプロトンを引き抜く
 4.再びLys51とPLPが結合(α-ケト酪酸とアンモニアの生成

Figure Caption

Ribbon diagram of the yACCD monomer consisting of two domains. Green represents the small domain (residues 58-169) and yellow represents the PLP-binding domain (residues 1 to 57 and 170 to 341). Both domains fold as an open twisted α/β structure consisting of a central β-sheet and surrounding helices. The PLP molecule (red) and Lys51 (blue) are shown as balls-and-sticks.

References