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植物由来抗菌ペプチドの新規生産技術に関する論文 Biotechnol. Prog.誌に掲載

Date: 2017.06.13

ジャガイモ由来の抗菌ペプチドであるsnakinを大腸菌を宿主とした発現系を用いて大量生産する新規技術に関する論文がBiotechnology Progress誌に掲載されました。

抗菌ペプチドは毒性や分解が問題となり、一般に微生物を用いた遺伝子組換えによる大量生産が困難とされています。また、植物由来の抗菌ペプチドであるsnakinは、ジスルフィド結合という結合が分子の中に多く含まれるため、化学合成による合成も困難で、大腸菌を用いた組換え体の生産でも巻き戻しと言われる操作が必要で、この条件検討も困難で時間のかかるステップでした。本研究では、大腸菌を宿主としてsnakinを生産する際に、当研究室で開発した不溶性顆粒形成蛋白質との共発現による安定化の新技術を応用して、snakinを高い効率で得ることに成功しました。
今後、得られた植物由来の抗菌ペプチドを利用して、作用メカニズムの解明が進むことで、農産物の対病原性に関する研究や新規の抗菌物質の開発につながるなどの応用も期待されます。

Enhanced expression of cysteine-rich antimicrobial peptide snakin-1 in Escherichia coli using an aggregation-prone protein coexpression system.
Kuddus MR, Yamano M, Rumi F, Kikukawa T, Demura M, Aizawa T.
Biotechnol Prog. 2017 May 27. doi: 10.1002/btpr.2508.