北海道大学大学院先端生命科学研究院 先端融合科学研究部門 ソフト&ウェットマター研究室
Japanese
English
北大生になりたい方へ 未来塾 高分子ゲル研究会

生き物?いいえゲルです

北海道大学 ソフト&ウェットマター研究室~私たちの所属はこちら

当研究室では生命体と「ゲル」の密接な関わりを物理的、化学的、生物学的なアプローチを
統合的に用いながら研究し、人工軟組織等の開発に役立てる研究をしています

LSWstyle

生き物を物質としてみると、ゲル!

生き物は、人間が作った機械では生み出せないような、非常に複雑で素晴らしい機能を持っています。例えば、筋肉は力強くしなやかに動き、毛細血管は自分の直径よりも大きな赤血球をよどみなく流し、関節の軟骨は日々の運動による激しい衝撃を吸収することができます。現在、ロボット工学や医療分野の発展により、生体に近い運動性や機能を持つ人工物が作られてきてはいますが、それでも生き物の能力には到底及ばないと言っていいでしょう。
では、なぜこんなにも生き物の組織は高機能なのでしょうか。
当研究室では、この問題を「物質科学」の視点から考えています。生き物がどんな物質でできているかを考えてみると、骨や歯などの硬組織以外は全て水を含んだ軟組織(ソフト&ウェットマター)、つまりゲルなのです。これは、人工物が主に硬くて水を含まない物質でできているのとは対照的です。
「生き物の素晴らしい機能は、生き物がゲルでできていることに由来している」。当研究室ではこのように考え、ゲルを研究することで生き物の高い機能の発現機構を解き明かそうとしています。

ゲルを知ることで、生き物が分かる!

実際にどのような研究をすれば生き物の不思議を解明できるでしょうか。
一般には、生き物の組織を顕微鏡などで詳しく調べることでその構造を知り、それがどのような機能を生み出しているかを予想する、という方法がよく行われます。このような研究も重要ですが、これでは構造と機能との関係を予想することしかできません。
そこで当研究室では、

  1. 生き物の組織の構造を調べ、単純化する。
  2. 1の構造を模倣した機能性ゲルを合成する。
  3. このゲルの機能と、実際の生体組織の機能とを比較、検証する。
  4. 2で作られた機能性ゲルを、新規材料として応用する。

というアプローチで研究を行なっています。
生き物よりも単純化されたゲルの性質を調べることで、生体のどの構造がどのような機能を担っているか、ということが簡単に理解できます。また、この過程で創出されるゲルは生体に似た高い機能を持ち合わせていますので、新規材料としての発展、応用が期待されます。こうした研究の過程で生まれた高機能ゲルとして、超高強度DNゲルや超低摩擦ゲルなどがあります。詳しくは研究内容のページをご覧ください。

このように、ゲルを研究することによって、生き物の素晴らしい機能の由来が分かるだけでなく、高い機能を持ったゲルを生み出すことで社会に貢献することができるのです。